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残暑本番の今、エアコン点検を怠るとどうなる?故障と電気代への影響

公開日 最終編集日
空調の点検・更新 暑さ対策 省エネ対策

「今年もそろそろ夏を乗り切れそうだ」と思った矢先に、エアコンの効きが悪くなったり、室外機から聞き慣れない音がしたりしたことはないでしょうか。8月も後半に差し掛かるこの時期は、エアコンがシーズン中で最も長時間・高負荷で稼働し続けているタイミングです。フィルターや室外機に溜まった汚れ、経年による部品の劣化が、電気代の上昇や突然の故障として表面化しやすいのもちょうどこの頃です。

この記事では、空調を点検せずに使い続けるとどのようなリスクがあるのか、故障と電気代という2つの切り口から整理します。あわせて、法令で定められている点検の考え方、フィルター清掃による節電効果の実測データ、そして「点検」と「更新」をどう判断すればよいかの目安についても解説します。読み終える頃には、ご自宅やオフィス・工場の空調について、今何を確認すべきかが具体的にイメージできるはずです。

空調を点検せずに使い続けると何が起きるのか

結論から言うと、空調機器は「使い続けているだけ」では性能を維持できません。エアコンは室内機・室外機の両方で熱交換を行う機械であり、フィルターの目詰まりや室外機周辺のホコリ・汚れの蓄積は、風量の低下という形で運転効率に直接影響します。

よくあるシナリオを2つ挙げます。1つ目は「設定温度を下げても部屋が涼しくならない」というケースです。この背景には、フィルターの目詰まりによる風量低下や、熱交換器の汚れによる熱交換効率の低下があることが多く、機械はより長い時間・強い出力で稼働しようとするため、電気代だけが上がっていきます。2つ目は「ある日突然、運転が止まる」というケースです。負荷がかかり続けた状態を放置すると、圧縮機など主要部品への負担が蓄積し、点検で早期に発見できたはずの異常が、真夏の最も需要が高いタイミングでの機器停止につながることがあります。

いずれのケースも、原因そのものは特別なものではなく、日常的な点検・清掃で早期に発見・対処できる範囲の変化であることが多いのが実情です。

業務用エアコンには法令点検のルールがある

家庭用エアコンと異なり、オフィスや工場で使われている業務用エアコンの多くは、フロン類を冷媒として使用する「第一種特定製品」に該当し、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」(通称:フロン排出抑制法、平成27年4月全面施行)に基づく点検の対象となります。

簡易点検と定期点検の違い

  • 簡易点検:すべての第一種特定製品が対象。頻度の目安は3ヶ月に1回以上で、専門資格がなくても実施できる。
  • 定期点検:圧縮機用電動機の定格出力が7.5kW以上50kW未満の機器は3年に1回以上、50kW以上の機器は1年に1回以上が目安。フロン類取扱技術者など有資格者による実施が必要。

この点検制度は、フロン類の漏えいを早期に発見する目的で設けられたものですが、結果として機器の異常の早期発見・空調効率の維持・電気代の抑制・長寿命化にもつながる仕組みになっています。「法令で決まっているから仕方なく行う」というより、「もともと壊れる前に気づくための仕組み」として捉えると、点検の意味がより実感しやすくなります。

フィルター清掃だけでもここまで変わる、という実測データ

「点検や清掃で、実際どれくらい違うのか」という疑問に対して、参考になるデータがあります。ダイキン工業株式会社が2022年に実施した検証(「ダイキン空気のお悩み調査隊」第7回調査)では、約3年分のホコリが溜まったフィルターを清掃しただけで、消費電力量が48.9%削減され、月間の電気代換算で約800円、CO2排出量で月間11.7kgの削減効果が確認されています。フィルター清掃に加えて室外機周辺の片付けも行った場合は、月間の電気代換算で約1,720円の削減効果も報告されています。

なお同社も明記しているとおり、これは1つの住宅・1台の機器を用いた検証であり、条件(機器の年式や汚れの蓄積度合い、気候)によって結果は変わります。とはいえ、「汚れを放置したエアコン」と「清掃済みのエアコン」の間に、体感できるレベルの差が生まれることを示すデータとして参考になります。

「点検」で十分なのか、「更新」を検討すべきなのか

点検・清掃をしても効きが戻らない、あるいは修理を繰り返しているという場合は、更新(入れ替え)を検討する段階に来ている可能性があります。判断の目安としては、以下のような観点が挙げられます。

更新を検討する目安

  • 点検・清掃を行っても、以前と同じ設定温度で効きの体感が明らかに戻らない
  • ここ数年で修理の頻度・費用が増えている
  • 電気代の上昇が、季節要因だけでは説明しづらいレベルで続いている
  • 室外機からの異音・異臭・油のにじみなど、点検項目に該当する異常が繰り返し見られる

更新は初期費用がかかる分、迷いが生じやすい判断です。だからこそ、「壊れてから慌てて選ぶ」のではなく、点検の結果をもとに余裕を持って比較検討できる状態にしておくことが、結果的に無理のない選択につながります。

今日からできる、空調点検の基本チェックリスト

専門業者による点検の前段階として、日常的に確認できる項目を整理しました。

  • フィルターにホコリが目立って付着していないか(月1〜2回の目安で確認)
  • 室外機の吹き出し口・吸い込み口の周囲に、落ち葉やホコリ、物が置かれていないか
  • 運転中に、以前は無かった異音・異臭がしないか
  • 設定温度を変えていないのに、体感の効きや電気代に変化がないか
  • 室外機の周囲や配管接続部に、油のにじみや目立った錆・傷がないか

これらに当てはまる項目があった場合は、応急的な自己判断で使い続けるのではなく、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。

まずは点検から。空調のことでお困りの際は

株式会社IESは、京都市下京区を拠点に、空調・電気・管・塗装・大規模修繕工事、FA事業・省人化設備、補助金申請サポート、省エネコンサルタントなど、建物・設備に関わる幅広い分野を手がけています。空調の点検・更新についても、「今の状態を知りたい」「更新すべきか判断したい」という段階からご相談いただけます。売り込みを前提とせず、まずは現状を確認し、点検で対応できるのか、更新を検討すべき段階なのかを、読者・お客様の立場に立ってご提案することを大切にしています。

空調に関するご相談は、株式会社IES公式サイト(https://ies-japan.co.jp/)、またはメール(ies-kyoto@ies-japan.co.jp)よりお問い合わせください。

よくある質問

Q. エアコンのフィルター掃除は自分でやってもいいのでしょうか。

A. フィルターの取り外し・清掃自体は、多くの機種で使用者が日常的に行える範囲の作業です。一方で、内部の熱交換器の分解清掃や室外機側の点検は、機種や設置状況によって専門的な確認が必要になる場合があります。異音や異臭など気になる症状がある場合は、自己判断で分解せず専門業者にご相談ください。

Q. 業務用エアコンの簡易点検は、社内の人間が行っても良いのですか。

A. 簡易点検は資格を問わず実施できるとされていますが、対象機器かどうかの確認や、異常が見つかった際の対応判断には専門知識が役立ちます。定期点検(3年に1回・1年に1回の頻度が目安となるもの)は有資格者による実施が必要です。

Q. 点検と更新、どちらを先に相談すればいいですか。

A. まずは点検のご相談から始めていただくことをおすすめします。点検の結果次第で、清掃・部品交換で対応できるのか、更新を検討すべき段階なのかが具体的に見えてきます。

参考文献・出典

  1. フィルター掃除と室外機周辺の片付けによるエアコンの節電効果を検証(ダイキン工業株式会社「ダイキン空気のお悩み調査隊」第7回調査) URL: https://www.daikin.co.jp/press/2022/20220809 参照日: 2026年08月13日
  2. 知らないとまずい!業務用エアコンの法令点検の重要性(ダイキン工業株式会社 空調メンテナンスサービス) URL: https://www.daikincc.com/fcs/topics/11/ 参照日: 2026年08月13日
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