「照明をLEDに替えると電気代が下がる」とはよく聞くものの、実際にオフィスや工場でどれくらいの効果が出るのかは、意外と知られていません。この記事では、蛍光灯・白熱電球とLED照明の消費電力・寿命の違いを公的データや事例を基に整理し、削減額の目安、交換時に見落としやすいポイント、導入前のチェックリストまでをまとめて解説します。
「電気代の請求書を見るたびに、照明分がどれくらいを占めているのか気になっている」「LED化を検討しているが、本当に投資に見合うのか判断がつかない」——こうした声は、オフィスや工場の現場でよく聞かれます。特に天井が高く照明の数が多い工場や、営業時間が長い店舗・オフィスでは、照明にかかる電気代は決して小さくありません。一方で、蛍光灯はまだ使えるからと交換を先送りにしているうちに、蛍光灯自体の製造・供給が段階的に縮小している現状もあり、「壊れてから考える」では在庫切れで困るケースも出てきています。判断のための材料が整理されないまま、なんとなく先送りにされているのが実情です。
この記事で分かること
この記事を読むと、次の3点が具体的な数字とともに分かります。
- 蛍光灯・白熱電球とLED照明の消費電力・寿命の違い
- オフィス・工場規模での電気代削減の目安(第三者機関の公開事例に基づく)
- LED化を検討する際に確認しておきたいチェックポイント
株式会社IESについて
株式会社IES(京都市下京区)は、空調・電気・管・塗装・大規模修繕工事に加え、FA事業・省人化設備、補助金申請サポート、省エネコンサルタントまで幅広く手がける会社です。LED照明設計もその一環として取り扱っており、現場の使い方や建物の状況に合わせた照明計画のご相談を承っています。本記事の数値は、後述する公的機関・専門事業者の公開情報に基づくものであり、自社の施工実績数値ではない点をあらかじめお断りしておきます。
蛍光灯・白熱電球とLED照明、何がどれくらい違うのか
消費電力の違い
経済産業省資源エネルギー庁・環境省の公開情報によれば、蛍光灯からLED照明へ切り替えることで、年間消費電力量で約50%の省エネが期待できるとされています。直管形のLEDランプに絞った試算では、電気代が約71%削減されたというデータもあります。ワット数で見ると、白熱電球(60W相当)が54W前後、蛍光灯(40W型)が42W前後であるのに対し、LED照明は7〜13W程度とされ、同じ明るさでも消費電力に大きな差があります。
寿命の違いと交換頻度
寿命の面でも差は明確です。白熱電球の寿命は1,000〜2,000時間程度、蛍光灯は6,000〜12,000時間程度とされるのに対し、LED照明は40,000時間程度が目安です。1日8時間使用するケースで換算すると、白熱電球は半年〜1年弱、蛍光灯は2〜4年程度で寿命を迎えるのに対し、LED照明は8〜10年程度使い続けられる計算になります。交換の手間や高所作業の頻度が減ることも、電気代以外のメリットとして見逃せません。
比較表
項目 | 白熱電球 | 蛍光灯(40W型) | LED照明 |
|---|---|---|---|
消費電力の目安 | 54W前後 | 42W前後 | 7〜13W程度 |
寿命の目安 | 1,000〜2,000時間 | 6,000〜12,000時間 | 40,000時間程度 |
1日8時間使用時の実使用年数 | 半年〜1年弱 | 2〜4年程度 | 8〜10年程度 |
オフィス・工場規模での削減効果はどれくらいか
「%」だけだと実感が湧きにくいため、専門事業者が公開しているシミュレーション事例も紹介します。株式会社エスコが公開している導入事例では、次のような削減率が報告されています。
- 集合住宅(共用部):従来照明6.14kW→LED照明1.15kWで、消費電力削減率は約81%
- 小売店舗:従来照明22.38kW→LED照明8.30kWで、消費電力削減率は約63%
- 工場(契約電力の見直しを含む):従来照明48.1kW→LED照明13.0kWで、消費電力削減率は約75%
建物の用途や照明の使い方によって削減率には幅がありますが、いずれのケースでもLED化単独で大幅な消費電力の圧縮が確認されています。これはあくまで公開事例であり、実際の削減効果は照明の台数・点灯時間・現在の設備状況によって変わるため、自社の状況に当てはめる際は個別のシミュレーションが欠かせません。
LED化を検討する前に確認したいこと
導入効果を正しく見積もるために、次のような点を事前に整理しておくと判断がしやすくなります。
- 現在の照明の種類・台数・1日あたりの点灯時間
- 照明ごとの点灯回路(同時点灯か、エリアごとに分けられるか)
- 天井の高さや形状、既存の配線・器具の状態(そのまま交換できるか、器具ごと更新が必要か)
- 人がいない時間帯の消灯・調光の余地(人感センサーや調光機能との組み合わせ)
- 投資額に対して何年程度で回収できそうか(電気代削減額との比較)
特に工場や倉庫のように天井が高い現場では、器具の交換方法によって工事の難易度や費用が変わるため、電気代の削減率だけでなく、工事全体の費用感まで含めて検討することが大切です。
よくある質問
Q. 蛍光灯がまだ点灯していても、LEDに替えるメリットはありますか?
A. あります。蛍光灯は寿命(6,000〜12,000時間程度)に近づくにつれて明るさが徐々に落ちていくため、「点灯している=本来の明るさが出ている」とは限りません。加えて、消費電力そのものがLEDより大きいため、点灯し続けている限り電気代の差は毎月積み重なります。器具の劣化状況と合わせて、交換タイミングを検討する価値があります。
Q. LED化の投資はどれくらいで回収できますか?
A. 建物の規模や照明の使用時間によって幅がありますが、株式会社エスコの公開事例では、集合住宅で約2年8ヶ月、小売店舗で約4年3ヶ月(補助金活用時は約2年10ヶ月)、工場で約3年という回収期間が報告されています。点灯時間が長い施設ほど、回収期間は短くなる傾向があります。
Q. 工事中は営業や業務を止める必要がありますか?
A. 器具をそのまま活かして光源だけを交換できるケースもあれば、器具ごと交換したほうが安全性・効率の面で望ましいケースもあります。天井の高さや配線の状態によって工事方法が変わるため、現地を確認したうえでの提案が基本になります。
Q. 補助金は使えますか?
A. 省エネ設備の導入に対する補助金・助成金の制度は時期や自治体によって内容が変わるため、本記事では特定の制度名までは断定しません。申請には要件確認や書類準備が必要になることが多いため、活用を検討する場合は制度の詳細を個別に確認することをおすすめします。
読者のみなさまへ
照明の使い方は建物ごと、現場ごとに異なります。「うちの場合はどれくらいの効果が見込めるのか」「今の蛍光灯はいつ頃交換を考えるべきか」など、感じている疑問やご経験があれば、ぜひお問い合わせやSNSなどでお聞かせください。
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電気代・省エネに関しては、空調設備の点検・更新や蓄電池の導入、節電ユニットの活用など、照明以外にも見直せる余地があります。それぞれの切り口についても、当ブログで順次取り上げていきます。
LED照明設計のご相談について
株式会社IESでは、LED照明設計を含む省エネ関連のご相談を承っています。「まず自社の照明でどれくらいの削減効果が見込めるか知りたい」という段階でも構いません。現場の状況を伺ったうえで、無理な売り込みではなく、読者・お客様にとって本当に必要な選択肢としてご提案しますので、気になる方は公式サイト(https://ies-japan.co.jp/)からお気軽にお問い合わせください。
執筆者について
本記事は株式会社IES(京都市下京区)が運営する公式ブログとして執筆しています。空調・電気・管・塗装・大規模修繕工事からFA事業・省人化設備、補助金申請サポート、省エネコンサルタントまで、建物や設備に関する幅広いご相談に対応しています。お問い合わせは ies-kyoto@ies-japan.co.jp まで。
参考文献・出典
1. [LED照明導入のメリットとは?デメリットも含めてわかる省エネ・コスト削減効果/スリーベネフィッツ株式会社] URL: https://www.3benefits.jp/blog/led-lighting-benefits/ 参照日: 2026年8月18日
2. [蛍光灯とLEDの電気代はどのくらい違う?寿命や初期費用、環境への影響を徹底比較/アイリスオーヤマ] URL: https://www.irisohyama.co.jp/b2b/itrends/articles/2709/ 参照日: 2026年8月18日
3. [LED導入による消費電力減少と助成金によるコスト削減/株式会社エスコ] URL: https://www.esco-co.jp/service/led/simulation/ 参照日: 2026年8月18日